「少年の日を祝う会」校長式辞

2021年2月5日 08時14分

昨日開催された「少年の日を祝う会」校長式辞を掲載いたします。

ご一読ください。

 

 

お祝いの言葉

一雨ごとに、寒さが緩んできたと感じられ、
新型コロナウイルスに、毎日しっかりと対応している中、
立春の日を迎えました。
昔の暦では、一年の始まりは、立春の日からとされ、
節分や八十八夜など、
季節の節目に行われる行事は、立春の日を起点として定められました。
立春という日は、
まさしく、気持ちを新たにし、何かを始めるのに 最もふさわしい日です。
愛媛県では、この立春の日を「少年の日」と定め、
大人への第一歩を踏み出す中学校2年生を、お祝いしています。
本日「少年の日」を迎えた2年生の皆さん、おめでとうございます。
そして保護者の皆様にも、お子様の成長、心よりお祝い申し上げます。
さて、2年生の皆さん、
「少年の日」のテーマは、自覚、立志、健康。です。
自覚 自分の行動に責任を持ちましょう。
立志 将来の方向を考えましょう。
健康 たくましい心と体を作るために、鍛錬しましょう。
この3つは、それぞれ 大切な意味をもち、これからの生活の中で
ずっと 意識してほしいものです。
ただ、私は、この3つのテーマの中で、
自覚ということを、特に意識してほしいと思っています。
どういう自覚をしてほしいかというと、
「これから自分は、大人にならなければならない」という自覚です。
では、「大人になる」とはどういうことでしょうか。
まず、「大人」とは、
「自分がしたくなくても、すべきことはする」
「自分がしたくても、すべきでないことはしない」
この二つのことができる人だと、私は思います。
では、それができるようになるには、どうすればよいのでしょうか。
まずは、すべきこと、すべきでないことが、わからなければいけません。
人間として、すべきこと、すべきでないことは、何なのか。
みんなのために、自分の、すべきこと、すべきでないことは、何なのか。
このことを、見つけていかなければいけません。
そのためには、
道徳の授業などで、人間の生き方について、一生懸命考えてください。
読書もしてください。昔の人の本が、おすすめです。
私の一番のおすすめは、
「天ハ人ノ上ニ人ヲ造ラズ、人ノ下ニ人ヲ造ラズ」
で始まる福沢諭吉の「学問のすすめ」です。
現代語訳も出ていますから、是非とも「挑戦」してください。
また、先生をはじめ、お父さん・お母さん、いろいろな大人の方の話を聞いてください。
そして、3学期のテーマでもある「思いやり」を意識した生活を行ってください。
これらのことを行えば、確実に視野が広がります。
その広がった視野を活かし、
自分が、すべきこと、すべきでないことを、見つけてください。
そして、見つけることができたなら、
校訓の2番目「感動」のもう一つの意味
「感じたことを基にして、自分をよい方向に動かす」ことを、
実行していってください。
皆さんの周りには、たくさんの大人の方がいます。
実は、私もそうですが、大人はみんな、
すべきことと、すべきでないことを探し、見つけ、それを実行しようと、努力しています。
つまり、「大人になる」ということは、
「自分がしたくなくても、すべきことはする」
「自分がしたくても、すべきでないことはしない」
この二つのことができるように、努力する。ということなのです。
皆さんは、そんな大人の仲間入りを、今日 しました。
「これから自分は、大人にならなければならない」という自覚を持ってください。
なぜなら、
Life is only once! 人生は一度きり。だからです。
一度しかない人生を、価値ある人生にできるのは、皆さん自身でしかありません。
今日からの皆さんの行動が、
新しい自分への第一歩 大人への第一歩 になることを期待しています。

令和3年2月4日
四国中央市立川之江北中学校 校長 篠原和彦